2018-01-01から1年間の記事一覧

If we hadn't met …   

今朝の私はどうかしていた。 イライラがMAXで一人で深酒していた。 いつ店を出たのか、それからどうしたのか、何も覚えていなかった。 覚えていたのは誰かと会話をしていたこと。 誰かとは男性だった。 私が目覚めた時にはその男性はいなくて。 私はホテルの…

different views

「どうして連絡くれないの?」 「どうして電話に出てくれないの?」 「そんなに私が嫌なの?」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「私の何が嫌なの?」 「キチガイか....」 黒田はスマートフォンを見ながら吐き捨てるように言った。 どうして女はこうも連絡を欲しがる?…

If I had one wish…

少しづつ暖かくなっていく。 散歩でもしようかと、栞は薄手のカーティガンを手に取った。 オオイヌノフグリやタンポポが道端を飾っている。 花たちが、寒かった冬がようやく終わることを告げていた。 公園の一角に大きな白木蓮の樹があった。 百合のような花…

Love in the air

オフィスはいつも乾燥していた。 PCが何台も稼働しているし、空調はCPUの為に動きっぱなしだからだ。 「大丈夫か?」 背後から上司の塚田が声を掛けた。 ずっと咳が止まらない里香を心配していた。 「アレルギーで喉が炎症を起こしているだけです。 ご心配く…

The judge

「離婚したいと妻に言われたんです。」 男性客はとても疲れている様子だった。 この男は、ちょっと変わった性癖を持っていた。 それを妻には話せず、ずっと結婚生活を続けてきた。 ある日、男は自分の性癖を満たしてくれる女性と出会ってしまった。 SNSで同…

Unnecessary

「和織さん、今晩和。」 「いらっしゃい裕ちゃん。 こんな遅い時間に来るなんて珍しいねぇ!!」 裕はこの店の常連で、和織はこの店のソムリエールだ。 「和織さん... 私、今さっき男を捨ててきた。」 「ぇええええ。」 「ちょっと酔い醒ます?」 和織は冷た…