Happy  chance

  

私は小さなワインバーで働いていて、あのひとは時々みえるお客様。

どういう経緯でかは覚えていないけれど、オフの日に一緒に食事をする約束をした。

お店の予約はあのひとがしてくれて、互いに一本ワインを持ち寄ることになった。 

 

自宅のワインセラーを覗きながら、どのワインにするか迷っていた。

迷って困ってではなく、迷って楽しい♪ 

 

今まであのひとと話した記憶を、必死で辿っていた。

 

あのひとがいつも飲むワインはどんなだった?

どんなワインが好きだって言ってた?

確か...もうすぐ誕生日だったんじゃなかった...?!

 

誕生日なら泡がいい。

待ち合わせ前にワインショップに寄ることにした。

 

誕生日なのだからシャンパーニュにしよう!!

 

ワインショップの奥のセラーに入らせてもらい、どのシャンパーニュにしようか迷っていた。

ワインを選ぶ時は心が躍る。

ピンクのお姫様ドレスを着て、優雅にワルツを踊っているような気分♪

 

ふと目に留まった一本...

TAITTINGER Comte de Champagne Blanc de Blancs  2000

あのひとが好きだと言っていたのを思い出した。

 

「決まった」

私はちょっと笑顔を浮かべて、そのシャンパーニュを手に取った。 

 

揺らさないようにと注意しながら、大事に大事に運んだ。 

歩きながら、電車に揺れながら、

(ちょっとの間だけだからストレスに感じないでね)

心の中でシャンパーニュに話しかける。

 

振動や温度を繊細なシャンパーニュが嫌がる気がして...

大事に大事に運んだ。

 

待ち合わせのお店に到着。

あのひとの姿がある。

 

「お待たせしましたか?」

待ち合わせ時間通りに来たけれど、少し早く来るべきだったと後悔した。

 

ふとテーブルに目をやると、アンピトワイヤーブルのグラスが並んでいた。

 

「こちらはこんな素敵なグラス使われてるんですか?!」

「いや...。 これは僕の持ち込み。君と初めての食事だからね。」

 

嬉しさが表情に出てしまい、それがとても恥ずかしくて俯いてしまった。

 

俯く視線の先に...

あのひとが持ち込んだワインがあった。

 

驚きと焦りが私を襲う。

 

「ごめんなさい。私、同じもの持ってきちゃいました!!」

 

ふたりは同じシャンパーニュを用意していた。

 

好きだと言っていたのだから、選ぶ可能性を考えるべきだった。 

あんなに迷ったのに同じ物を選ぶなんてと、激しく後悔していた。

 

「お好きだと仰ってたから...。お誕生日プレゼントも兼ねて...。」

 

私は用意したシャンパーニュをテーブルに置いた。

 

「ヴィンテージも同じなんだね。」

あのひとが笑う。

 

「これは僕が持ち帰って寝かせておこう。ちゃんと君が一緒に飲むんだよ。」

 

今日だけではなく、二度目があるということ...?!

あのひとと私の戀が、こんな素敵な偶然から始まっていく。

 

 

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プジョー アンピトワイヤーブル

アンピトワイヤーブル(容赦なくという意味)のグラスは、それぞれのワインを最高の状態でテイスティングする目的で造られ、ワインのもつ特徴と香りを最小限の時間で最大限に引き出します。

熟練の職人により、14世紀から伝わる口吹き技術にて、ウルトラ・ホワイトのピュアクリスタル(ultra-white pure crystal)をハンドメイドにて造られます。

 

 

TAITTINGER Comte de Champagne Blanc de Blancs

シャンパーニュ地方のランスに本拠を構えるテタンジェ。

テタンジェのトップキュヴェがコント・ド・シャンパーニュです。

葡萄の出来が優れた年、コート・デ・ブランのグラン・クリュの畑で収穫されたシャルドネだけで造られる(ブラン・ド・ブラン)シャンパーニュです。